ジャイアントパンダ④ パンダはなんで白黒模様?
パンダは白黒のはっきりした、特徴的なデザインの動物です。どうしてこのような柄(がら)を持つようになったのでしょうか。
パンダの白黒模様は栄養不足!?
パンダは中国の標高約1300~3500メートルにもおよぶ山岳地帯の森林で暮らしています。雪が降り積もる場所なので、白と黒の体が墨絵のような雪景色に溶け込んで、敵から身を守るための保護色になっているという説や、目立つことでかえって襲われないために警戒色にしているという説もありますが、昆虫や鳥は奇抜な色や模様によって、捕食者を遠ざけるケースが確認されているものの、パンダを含む多くの哺乳類が、目立つ色で天敵から身をまもったという事例はほとんど確認されていません。
また手足の先や耳先などは寒いときに冷たくなりやすい部分なので、黒くすることで太陽の熱吸収をよくして寒さ対策に役立てているのではないか、といった説などもあります。
目の周りが黒いのは、急所である目がどこにあるか分からないようにするためと、冬のぎらぎら光る雪のまぶしさを防ぐためといわれていますが、顔にあの模様があるおかげで、見ている人間は「たれ目」のように錯覚するので、かわいさが倍増しています。もしたれ目模様がなかったら、パンダの目はとっても小さくて、別人?のように怖い顔になるということをご存知でしたか?
このように諸説あるものの、パンダの白黒模様の正確なところはよくわかっていないようです。だからといって、本当は白くなりたかったのに栄養不足で無理だったので白黒で妥協したなんて考えるのは、偶然そうなったという以上におかしすぎる説としか言いようがありません。私たちが欲しい服があったのにお金が足りなくて、別の服にしたというのならありうる話ですが、今まで見てきたすべての生き物たちが目的と価値を持った存在として、寸分の誤差もなく計算されつくして設計され、プログラムされているのです。それがパンダだけが、結果的に適当に間に合わせのようになってしまったなんてことが起こるはずがないのです。
ところで、皆さんはパンダのどこが黒いかわかりますか?目の周り、両肩から前足全体、後ろ足は長靴をはいているように黒く、小さな耳も真っ黒なのですが、イメージ出来ましたか。それではシッポは?と聞かれたらどうですか。なんとなく黒いと思っていませんか。実はパンダのシッポは例外なく白色です。つまり、パンダはどの個体を見ても皆同じ模様をしているということです。
白黒模様の動物はたくさんいますが、パンダ以外の動物の白黒模様はパンダとは全然違います。ほかの白黒模様の哺乳類の柄は皆まちまちで個体差が大きく、同じ柄のものはいません。牛にしても犬や猫にしても、その柄は全部違っています。そしてその柄の違いが飼い主や見ている人の心に、笑いや驚きやいろいろな思いを呼び起こして、一層愛情が深まるのです。 ではなぜパンダだけが特徴的な共通の柄をしているのでしょうか?それを考えるためパンダの白と黒の割合の比率についてみてみましょう。
以前テレビ番組の企画で、パンダの剥製を、3Dスキャナーで測定した結果「白:黒」は「6:4」でした。これは「黄金比」に近い数字です。
黄金比とは人が最も美しいと感じる比率として知られていて、比率を導き出す計算はややこしいのですが、近似値は「1:1.618」です。これを%で表すと、約37.5%:62.5%となり約「4:6」。つまりパンダの白黒の割合は、ほぼ黄金比なのです。これをみると、パンダの白黒の模様は、それを見て美しいと感じる人間の存在を前提として、計算され設計された完璧さであるとしか言いようがありません。その完璧さが、進化論者の言う単なる「偶然」でできたと考えるのは、不自然で無理がありすぎます。
パンダのコミュニケーション!!
パンダの平均的な行動範囲は5km2ですが、縄張りは持ちません。他との関わりを避けたいパンダ同士のコミュニケーションのほとんどは、ニオイで印をつけることでしています。自分の住む場所を他のパンダに知 らせるには、肛門腺から出す分泌物を木の幹や岩などにこすりつけて、居住の範囲をニオイで囲むのです。
パンダは尿でもニオイをつけます。木の皮をはがして尿をかけ、他のパンダに自分の存在を示しますが、オスのパンダは逆立ちして木の高い所に印をつけます。印の位置が高いほどそのパンダの強さを表すので、他のパンダを威嚇(いかく)する効果があります。またニオイも遠くまで拡がるのでメスにアピールすることもできます。研究者によると、尿のニオイは、人間の指紋のように個体特有のもので、パンダはそのニオイから性別・年齢・繁殖条件など、いろいろな情報を読み取れるそうです。
発情期には、メスのパンダはニオイのメッセージを送るので、オスのパンダはそのニオイを嗅ぎつけて寄っていきます。パートナーを見つけた後は、かろうじて人間にわかるかわからないかの声でコミュニケーションをとります。しかし、それ以外の時期に知らないパンダのニオイを嗅いだら、避けてよそに行ったり、身を守ったりします。このようにパンダはニオイで集まったり避けたりもしているのです。
パンダになるための教育期間!!
パンダは他のクマのように吠えたりしませんが、コミュニケーションのためにうなったり吠えたりすることがあります。中国の研究者たちがパンダの鳴き声に特化した研究をしましたが、パンダの鳴き声は複雑で、録音した音声の分析と、行動と照らし合わせていく作業とを繰り返して、やっと解明できたそうです。その結果、彼らは何種類かの鳴き声を使い分けコミュニケーションを取り合っていることがわかりました。
オスが羊のように「メ~」と鳴くのは求愛の意思表示です。メスがこの求愛を受ける気があるときは、同じような鳴き声を出すそうです。子パンダが「ジー・ジー」と鳴くときは「お腹がすいた」で「ワウ・ワウ」は「悲しい」、「クー・クー」は「いいね」なんだとか。
もしパンダの鳴き声から彼らのコミュニケーションを知ることができたら、パンダの80%にもなる不妊率を下げ、絶滅を防ぐ何らかの方策が見つかるかもしれないという期待を学者たちは持っています。
パンダはコミュニケーション方法を母パンダを通して学んでいます。単独生活をするパンダにとって、母親に育てられるコドモの期間が家族と一緒に過ごす唯一の時間であり、パンダとしての生き方を学習できる唯一のチャンスなのです。
<引用資料>
● TABI LABO
『中国の研究者が、「パンダ語」の解読に成功!』
https://tabi-labo.com/207440/pandawhispers
● アドベンチャーワールド
https://www.aws-s.com/
● つくばサイエンスニュース
『腸内細菌がジャイアントパンダのぽっちゃり体形を支える!?』
https://www.tsukuba-sci.com/?column02=腸内細菌がジャイアントパンダのぽっちゃり体形
● ビズサプリ「ちょっとひといき – 朝礼deポン!ためになる話題」
『かわいいパンダに夢中! パンダの雑学』
https://www.nec-nexs.com/bizsupli/break/topic/index21.html
● SCIENCE19.COM
『パンダはどのようにコミュニケーションを取るのですか?』
https://ja.science19.com/how-do-pandas-communicate-745
● アラチャイナ
『パンダの習性、性格、生態』
https://www.arachina.com/giant-panda/behavior.htm
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