ライオン④ 「設計された、創造された」という見方の方が自然

今までは具体的な特徴をたくさん見てきましたので、まとめていきたいと思います。

車はエンジン、ラジエーター、トランスミッションなどたくさんの部品が組み合わさってできていますが、ライオンの体も同様であることを理解されたことと思います。たてがみ、ヒゲ、爪、筋肉、視覚、臭覚などすべてがそなわっていて、ライオンなのです。これら一つひとつが精巧な仕組みです。これらがすべて、たまたま偶然という進化によって出そろうことがあり得るでしょうか。

ライオンの体を持っているだけでライオンであるわけではありません。獲物に向かうときの俊敏さ、チームワークなどの多くの本能があってこそライオンです。これらの本能も偶然の進化で獲得したというのが進化論ですが、大変無理な考え方だと思います。

ですから、偶然が積み重なった進化ではなく、設計図にもとづいて創造されたと考える方が自然で合理的で1番納得がいくのではないでしょうか。

アデロバシレウスが進化してライオンになった?

第1回目でシリーズ第1弾『ざんねんないきもの事典』ではネズミのようなアデロバシレウスから、たまたま偶然進化してライオンになったことが書かれているとお伝えしました。

ライオンの、まさに狩りに適した体の作りや、群れを守るオスとメスの本能も見てきました。知れば知るほど、ネズミのようなアデロバシレウスがたまたま偶然ライオンになったのではなく、段階的な創造の過程を経て、現在のライオンが登場したと考える方が納得がいくと考えます。

命がけで群れを守るオスライオンの強さ

肉食獣の中で1番大きなライオンは、その優れた能力で狩りをして群れを作り、生活しています。狩りをする時には仲間で力を合わせます。極度に獲物が少ない時には子どもに餌が行き渡らないこともありますが、基本狩った獲物はみんなで分けあって食べます。

ライオンの父と子

オスのライオンの1番の役目は、多くのメスライオンと子どもがいる群れを守ることです。多くのいきものに見られるようなメスの取り合いはしません。メスは協力して狩りをして、子どもを育てます。まるで生き物の、それも人間の生き方の手本のようです。普段は温厚だが強い。群れを命がけで守る。野生的で紳士的な上に美しい風貌のオスライオンは人間に感動を与え、昔から「百獣の王」と言われてきたのが納得できると思います。

ライオンの母と子

メスを中心に狩りをするのも、人間のようにハンティングを楽しむためではありません。生きていくために過酷な自然の中で成功率20%と言われる狩りをするのです。自分よりも大きな獲物を狩るので、水牛の角にやられることもあれば、ゾウに踏まれそうになったりカバに噛まれたりして命を落とすこともあります。狩りは命がけです。それでも群れのために危険を返り見ず、自分より大きな獲物を狩るのです。

ライオンのオスは、群れを守るための戦いによって傷つくことから、野生では12年以上生きるのは稀だと言われています。オスもメスも、身を削って群れを守っているのです。

このようなライオンだからこそ人間は、百獣の王として、国旗や国章にしたのでしょう。

なんのためにライオンは創造されたのだろうか?

自然からは多くのことを学ぶことが出来ます。人間に、本来の王としてのあるべき姿を、ライオンを通して教えたかった存在があるのではないでしょうか。

もしかしたら昔の人間は、ライオン達肉食獣を見て、それまで自分たちは草食だったのに、肉も食べられることに気づき、肉も食べるようになり、生き長らえたのかもしれません。あるいは、牙に似せて石器を作り、武器にしたのかもしれません。

ライオンがチームプレーで狩りをする様子から、仲間で取り囲んで逃げ道をふさぐ狩猟法を学んだのかもしれません。

それだけでなく、命をかけて群れを守るオスライオンの姿、他の子どもに乳を与えて子育てをしているメスの姿から、人間も助け合って生きることを学んだのかもしれません。古代では生きるのに精いっぱいで、そこまでは悟らなかったかもしれませんが、ライオンの研究が進んで明らかになった現代こそ、その生き方は感動的であり、学ぶものがあります。

人間には命を創ることが出来ません。小さな細胞の命ひとつ創ることができません。

私自身が私の髪の毛1本創ることが出来ないのです。

誰がライオンを創ったのでしょうか?
誰が「私」自身を創ったのでしょうか?
誰が「私」が感動する美しい景色、美味しい食物を創ったのでしょうか?

筆者は多くの科学者もそう考えたように、神と呼ばれる存在以外に考えられないと思います。

しかしどう呼ぶか以上に大切なことは、

ライオンの創造を通して私たちに伝えたかったのは何か?
ライオンは何のために創られたのか?

ということです。

この機会に皆さんも考えてみてはいかがでしょうか。


<引用資料>

● フリー百科事典ウィキぺディア日本語版「ライオン」
  https://ja.wikipedia.org/wiki/ライオン

● ウィキブックス「人類の誕生」
  https://ja.wikibooks.org/wiki/人類の誕生

● フリー百科事典ウィキぺディア日本語版「アデロバシレウス」
  https://ja.wikipedia.org/wiki/アデロバシレウス

● TRUE ARK「創造と進化論」
 『最新の遺伝子研究がダーウィンの進化論を否定?生命の90%はヒトと同時期に出現した』
  https://true-ark.com/news-evolution/

● TRUTH SEEKER「ダーウィン進化論への反論」
 『進化論の論理的限界』
  https://jp.truth-seeker.info/進化論の論理的限界/

● 「驚くべき世界の野生動物生態図鑑」日東書院本社(日本語版監修/小菅正夫監修、翻訳/黒輪 篤嗣)

● 「動物大百科1 食肉類」平凡社(編/D.W.マクドナルド、監修/今泉吉典)

● 「講談社の動く図鑑 move 動物」講談社(監修/山極寿一)